「脳の仕組み①情報」の「情報の関連付け」で少し説明しましたが、さらに詳しく説明していきます。
情報の関連付けとイメージ
人は同時期に受けた情報を関連付けて保存します。
同じ情報を何度も受けることで関連付けは強化されていきます。
強く関連付けられた情報グループをイメージと言います。
たとえば、リンゴと聞けば頭の中でリンゴの色やリンゴの形を思い浮かべると思います。
これはリンゴという言語情報に、リンゴの色やリンゴの形といった情報が強く関連付けされている為、リンゴと聞くことで自然とそれら(周辺情報)を思い浮かべるのです。
これはリンゴに限らず、あらゆるものにおいて言えます。
たとえば、さんまさんと言えば、さんまさんの顔や話し方、性格などを想像すると思います。
これがイメージです。
このイメージは相手が何度も情報を受けたことによってできていきます。
たとえば、佐藤さんという男性がいるとします。
佐藤さんと初めて会った時に佐藤さんが帽子をかぶっていたら「佐藤さん」に「帽子」が関連付けされ、①
2回目に会った時も帽子をかぶっている場合は帽子との関連付けが強化され、②
2回目に会った時に帽子をかぶっていない場合は帽子との関連付けが弱化します。③
①初対面:「佐藤さん」+「帽子」
佐藤さんのイメージ:「佐藤さんは帽子をかぶっていた」
②同じ情報の入手によって情報の関連付けが強化
初対面:「佐藤さん」+「帽子」 → 二回目に会った時:「佐藤さん」+「帽子」 ⇒ 佐藤さんのイメージ:「佐藤さん」++「帽子」
佐藤さんのイメージ:「佐藤さんは帽子をかぶっている」
⇒ その後、帽子をかぶっている姿を何度も目の当たりにすることで、帽子との関連付けがどんどん強くなり、「佐藤さんは帽子の人」と認識するようになる(関連付けの強化によるイメージの固定化)
③同じ情報を入手する際に特定の情報を入手しないことによって関連付けが弱化
初対面:「佐藤さん」+「帽子」 → 二回目に会った時:「佐藤さん」(帽子が見当たらない) ⇒ 佐藤さんのイメージ:「佐藤さん」(帽子の関連付けが無くなる)
佐藤さんのイメージ:「佐藤さんは帽子をかぶらなくてもいい人」
⇒ その後、帽子をかぶっていない姿を何度も目の当たりにすることで、帽子との関連付けがどんどんと薄くなり、帽子をかぶっていたことを忘れる(関連付けの弱化によるイメージの固定化)
「あらゆる情報」がこの法則で成り立っている為、上記例の帽子ような外見的情報だけでなく内面にも言えます。
たとえば、佐藤さんと会った時、佐藤さんが優しくしてくれたら、佐藤さんに優しいが関連付けされます。
①初対面:「佐藤さん」+「優しい」
佐藤さんのイメージ:「佐藤さんが優しくしてくれた」
後日、佐藤さんと一緒にバーベキューをした際に男らしいと感じた場合、新たに男らしいが関連付けされます。
①初対面:「佐藤さん」+「優しい」 ⇒ 佐藤さんのイメージ:「佐藤さん」+「優しい」
②二回目に会った時:「佐藤さん(+優しい)」+「男らしい」 ⇒ 佐藤さんのイメージ:「佐藤さん」+「優しい」+「男らしい」
佐藤さんのイメージ:「佐藤さんは優しくて男らしい」
さらに後日、今度は佐藤さんの女々しい部分を見ると女々しいの情報が新たに関連付けされます。
つまり「佐藤さんは優しくて男らしい部分もあるけれど女々しい部分もある人」というイメージに変化します。
①初対面:「佐藤さん」+「優しい」 ⇒ 佐藤さんのイメージ:「佐藤さん」+「優しい」
②二回目に会った時:「佐藤さん(+優しい)」+「男らしい」 ⇒ 佐藤さんのイメージ:「佐藤さん」+「優しい」+「男らしい」
③三回目に会った時:「佐藤さん(+優しい+男らしい)」+「女々しい」 ⇒ 佐藤さんのイメージ:「佐藤さん」+「優しい」+「男らしい」+「女々しい」
佐藤さんのイメージ:「佐藤さんは優しくて男らしい部分もあるけれど女々しい部分もある」
※意識的に考えると、「佐藤さんは優しくて男らしい部分もあるけれど女々しい部分もある」ではなく「佐藤さんは本当は女々しい人(本当は男らしくない)」と考えがちですが、実はそうではなく、無意識的には「男らしい」「女々しい」の両方の情報が関連付けされています。ただし、生物にとって、安全認識していた相手が危険行動をとった場合は予測することができない危険性を有する為、一転して危険視しようとする本能が、逆に危険視していた相手が安全行動をとった場合は予測できていない有益性を有する為、一転して安全視しようとする本能があります。(これを一般的に「ギャップ」と言う)つまり、情報は全て関連付けされるが、感情は最も重要な1つが重要視されると言うことになります。上記の場合、男性にとっては危険性は無いので「佐藤さんは優しくて男らしい部分もあるけれど女々しい部分もある」と捉えますが、女性にとっては、女々しいの要素の方が大きい場合は子孫を残す相手としては不適切なため、最初にプラス感情となる「男らしい」が見えた後にマイナス感情となる「女々しい」が見えた場合に「危うく騙されるところだった」と感じて嫌いやすくなります。
その後、何度も佐藤さんと会い、
「男らしい」と感じる部分を目の当たりにすることがなく、
「優しい」や「女々しい」と感じる部分を何度も目の当たりにすると、
「男らしい」の関連付けが弱くなり、
「優しい」「女々しい」の関連付けが強くなる為、
「佐藤さんは優しいけど女々しい人」というイメージになっていきます。
①初対面:「佐藤さん」+「優しい」 ⇒ 佐藤さんのイメージ:「佐藤さん」+「優しい」
②二回目に会った時:「佐藤さん(+優しい)」+「男らしい」 ⇒ 佐藤さんのイメージ:「佐藤さん」+「優しい」+「男らしい」
③三回目に会った時:「佐藤さん(+優しい+男らしい)」+「女々しい」 ⇒ 佐藤さんのイメージ:「佐藤さん」+「優しい」+「男らしい」+「女々しい」
④四回目以降:+「優しい」+「女々しい」(「男らしい」の要素が見当たらない) ⇒ 佐藤さんのイメージ:「佐藤さん」+「優しい」+「女々しい」
佐藤さんのイメージ:「佐藤さんは優しいけれど女々しい人」
情報の間接的関連付け
そして、情報は関連付けされる際に、その情報に関連付けられた情報も関連付けされます。
たとえば、佐藤さんが眼鏡をかけていた場合、眼鏡に関連付けられている情報である「目が悪い」「オシャレ」「勤勉」「インテリ」「オタク」などが間接的に関連付けされます。
佐藤さんのイメージ:佐藤さん+眼鏡(+目が悪い+オシャレ+勤勉+インテリ+オタク)
そして、同様に他の情報も関連付けられていき、そのうち最も多く関連付けられたものがその人のイメージになります。
たとえば、佐藤さんと次に会った時に手に携帯ゲームを持っていた時、佐藤さんと携帯ゲームが関連付けられますが、その際に携帯ゲームに関連付けされている情報である「遊び」「楽しい」「オタク」「ニンテンドー」なども間接的に関連付けされます。
佐藤さんのイメージ:佐藤さん+眼鏡(+目が悪い+オシャレ+勤勉+インテリ+オタク)+携帯ゲーム(+遊び+楽しい+オタク+ニンテンドー)
そして、関連付けの強いものがイメージとなります。
佐藤さんのイメージ:佐藤さん+眼鏡+携帯ゲーム+オタク
「佐藤さんはオタク」
あなたのイメージの作られ方
つまり、あなたが女性に持たれるイメージは、あなたが与える情報やそれに関連付けられている情報によって決まっているということです。
あなたの表情、あなたの服装、あなたの体型、あなたの言動、それに関連付けられている情報からあなたのイメージが作られていくのです。
あなたのイメージはあなたが与えた情報で作られていく
たとえば、あなたが相手と笑顔で接した場合、あなたの本来の性格が楽しい性格かどうかはわかりませんが、「笑顔」という情報からそれに関連付けられた「楽しい」というイメージが作られていきます。
笑顔で接する ⇒ 笑顔に関連付けられた楽しいという情報から「楽しい人」と思われるようになる
逆にあなたが恥ずかしいからと言って女性を無視したりすると、女性は「恥ずかしいから」ということはわからない為、「無視してくる冷たい人」「場の会話に参加しない協調性の無い人」などと捉えます。
恥ずかしくて接することができない ⇒ 接さないという情報に関連付けられた冷たいという情報から「冷たい人」と思われるようになる
余談ですが、恋愛が下手な人は「コミュニケーションが苦手だから無理に会話してイメージが悪くなったら嫌だからなるべく会話しないようにしよう」と考えがちですが、それによって余計に嫌われる原因となってしまっているのです。
そもそも「コミュニケーションが上手い人」と思われる必要はありません。
人が好きになるのは「コミュニケーションが上手い人」ではなく「楽しい人」であり、
楽しいかどうかは会話が上手いかどうかではなく、明るくて前向きかどうかです。
ですので、コミュニケーションの上手さで勝負しようとするのではなく、明るくて前向きに接するように心がけましょう。
話を元に戻し、イメージはあなたが与える情報で作られていくということなのですから、
あなたが持ってもらいたいイメージになる情報を与えるようにすれば、好きなようにコントロールすることができるということです。
あなたが今、相手にどんな情報を与えようとしているのか?
一度客観的に考えてみることで、あなたの恋愛力は一気に向上することでしょう。